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KDDI株式会社

リベラルアーツの学びの蓄積を己の”武器”に。
「LIBERARY for Biz」を導入したKDDI

  • #リベラルアーツ
  • #ジョブ型人事制度
  • #リーダー研修
  • #スキルセット

さまざまなジャンルのフロントランナーがビジネスに生きる新時代のリベラルアーツを解く、動画オンデマンドサービス『LIBERARY for Biz』。

業務のプロセスが明確で、変化が緩やかな時代から、ビジネスにも創造性が求められる時代に入り、多様な領域のインプットが可能な「リベラルアーツ」に注目が集まるようになった。そうした中で誕生したKDDIによる開発・提供の、リベラルアーツを学ぶことができる『LIBERARY for Biz』を、KDDIは自社内にも導入している。社内導入に際しての取り組みやリベラルアーツを学ぶことの魅力を、人事担当と2名のユーザーにお話しいただいた。

ロゴ KDDI株式会社
  • 社名 KDDI株式会社
  • 業種 電気通信事業
  • 従業員数 49,659名 (2023年3月31日現在)
  • URL https://www.kddi.com/
  • 課題

    • 以前は年次ごとに一律の研修を行なっていたがKDDI版ジョブ型人事制度の導入により、社員ひとりひとりのキャリアプランや目指す人財像が多様化
    • 現代は変化スピードが速く、汎用的なビジネススキルだけでは変化の対応に不十分
  • 導入理由

    • 自分の思考の幅を広げるためのインプットや社会の変化に対応するスキルセットのコンテンツとして最適
    • 学習意欲の高い人財のさらなる成長を期待できる
  • 活用方法

    • 動画は1本20分で、気が向いたときや隙間時間に気軽に視聴
    • リーダー層に必要な知識やスキルを継続的に学習
    • 経済学・社会学・哲学・芸術・デザインなど幅広い動画コンテンツから、気になるものを選択して視聴
  • 導入後の効果・成果

    • リーダーに必要な多角的な視点を得られる
    • 経験や知識が少ない分野の講義が自分の学びの方向性を知るために役立つ
    • 多角的な視点を取り込み、本質的な思考や判断の手助けになる

出演者プロフィール

出演者プロフィール 木村健一さん

木村健一さん

コーポレート統括本部 人事本部 人財開発部 人財育成2グループ

KDDI全社の人財育成施策の企画・実行を行う部署にてグループリーダーを担う。DX人財の育成プログラム(KDDI DX University)の拡大、およびスキルアップにつながる全社向け研修や動画オンデマンドサービスなどの整備に携わる。

出演者プロフィール 長谷川霞さん

長谷川霞さん

ソリューション事業本部 ビジネスデザイン本部 金融営業部 営業3グループ

法人向け営業部門であるビジネスデザイン本部にて、金融機関向け営業のグループリーダーを担当。お客さまの事業に貢献し、ともに成長していくことを目指し、日々お客さまとの対話と議論を続けている。

出演者プロフィール 嶋崎佳史さん

嶋崎佳史さん

パーソナル事業本部 サービス統括本部 プロダクト品質管理部 アーキテクチャグループ

Androidスマートフォンの開発と、アフターサービスを担当。アーキテクチャグループのグループリーダーを担う。

「LIBERARY for Biz」導入の背景

――まずは人事担当の木村さんにお聞きします。『LIBERARY for Biz』を導入されたキッカケは?

木村「KDDIでは2020年から『ジョブ型人事制度』を導入しました。それまでは多くの会社がそうであるように、新入社員研修・2年目研修・3年目研修・管理職研修……と、年次ごとに一律の研修が行われていました。しかし、「自ら主体的にキャリアを考え、専門性と人間力を磨くためのスキルアップを行う人財を増やしたい」という思いから、KDDI版ジョブ型人事制度に合った育成体系への進化に取り組んできています。

社員はひとりひとり、キャリアプランも目指しているものも違います。自身のスキルアップは自ら考えてアクションを起こしてほしい。そのために、人事制度上で定義されたスキルそれぞれに対応する能力開発のコンテンツを会社として準備を進める中で、『リベラルアーツ』も非常に有効なのでは?と思ったんです」

対談の様子 木村さん

――管理職層や社員の中から200名限定で希望者を募ったところ、あっという間に枠が埋まったとお聞きしました。さまざまな動画オンデマンドサービス教材の中で、自社プロダクトとはいえ本サービスを選んだことに理由はありますか?

木村「これまでリベラルアーツを研修テーマとして扱うことは少なかったですが、今の時代は変化スピードが速く、自分の思考の幅を広げたりする中で、汎用的なビジネススキルだけでは不十分ではないかと考えるようになりました。それに対応するようなインプットやスキルセットのコンテンツの一環として魅力を感じ、『LIBERARY for Biz』の導入を決めました。

もちろん、本サービスは即時効果が出てくる部類のものではありません。また定量的な育成成果を出すのは難しいテーマであると捉えていますが、学びを自ら求める人財にとって、己の“武器”となる可能性を秘めていると思います」

受講して感じた「LIBERARY for Biz」の魅力

――長谷川さんと嶋崎さんのおふたりは、なぜ『LIBERARY for Biz』を受講しようと思われたのでしょうか。

嶋崎「単純にリベラルアーツに興味があったことと、いろんなことを知ることによって、言葉の重みが変わるかな?と期待していました。

先ほど木村さんのお話にも出ていましたが、『ジョブ型人事制度』を導入することでグループメンバーのキャリア支援も行うことになり、グループリーダーとしてより高いスキルが求められるようになりました。メンバーに話す言葉には、ある程度自身が経験してきたことが含まれますが、それだけでは足りないことも多いもの。そういう意味で、さまざまな分野で活躍されている方のお話を聞くことができる『LIBERARY for Biz』なら、言葉に深み・重みを加えることができるのでは?と感じました。

また、自分自身もいろいろな角度から物事を見ることができるよう、多角的な視点が欲しいと思っていたところだったので、メリットを感じ受講させていただいた次第です」

対談の様子 嶋崎さん 長谷川さん

長谷川「私の部署は『ビジネスデザイン本部』という名前からも分かっていただけるかと思うのですが、お客さまと一緒になってビジネスを創っていく、デザインしていく、というもの。既存のKDDIのサービスを使っていただくだけでなく、新しいことを創り出していかなければならないんです。そしてそのためには、自分自身にも厚みや幅がなければなりません。

『イノベーションは新結合だ』ともいわれますが、世の中には私自身の知らないことがたくさんあります。そうしたところから持ってくるもので自分の引き出しを増やし、中身を詰めていくという意味では、リベラルアーツはプラスになると考えました」

――どのようなタイミングで動画を視聴されていますか?

長谷川「コンスタントに観るタイミングがあるわけではなく、時間があるときに気が向いたら…という形で利用しています。その際は、グラフィックレコーディングの練習も兼ねて、メモを起こしたりしながら視聴していますね」

嶋崎「私はいわゆる“流し見”をしてしまうと覚えられないと感じたので、週に1度、業務後に1時間ほどオフィスに残り、動画を3本観ています。長谷川さん同様にメモを残すようにしていますね。そうじゃないと、後から振り返れないので」

木村「他の利用者からは、隙間時間やちょっとした時間に観られる点が良い、という声が上がっています」

知識欲をくすぐる多様なコンテンツ

――『LIBERARY for Biz』の魅力のひとつが、膨大な数の動画コンテンツだと思います。どれを見るか、どのように決めていらっしゃいますか?

対談の様子 長谷川さん

長谷川「本当に数が多くて…正直なところ、追いつくのが大変です(笑)。

私は自分の得意分野や興味からあえて遠いものから選んでいるのですが、『この人は、何を語ってくれるんだろう?』と感じるものから観ることで、自分の興味や関心だけでは広げられない部分や探し出せない部分を見つけることができるかな、と感じています。

リベラルアーツって、学問だけでなく社会や人間力の根っこの部分だと思うんです。特にここ数年、多様化が当たり前となり、いっそう大事になってきた部分ですよね。

社会人として長年働いていると、必然的に“ファーストメジャー”ができ、磨かれていくと思うのですが、リベラルアーツの中から“セカンドメジャー”を見つけて掘り下げていくことで、知識も心も、仕事をしているときもプライベートのときも、より豊かになってくるのでは?と」

嶋崎「動画を観るとき、はじめのうちはタイトルを見てビジネスに直接つながるような動画を選んでいたんです。でも、どの有識者の方もこちらが想像していた以上におもしろい話をされるので、順に観ていくようになりました。視聴できる期間が決まっているので、見逃したくないという気持ちも働いていると思います。

社会人として専門分野はあってしかるべきですが、専門外のことであっても、できないながらに“知っている”ということが大切だと思うんです。知識そのものは、浅く広くでいい。でも、自分を広げるという意味で役に立つ気がします」

対談の様子 木村さん 嶋崎さん

木村「経済学・社会学・哲学・芸術・デザインなどなど、動画によって学問の分野はそれぞれ違うのに『共通点があるな』って感じることが多いですよね。そこもおもしろさと感じています」

長谷川「学際的というのでしょうか。この学問とあの学問を掛け合わせたら、通じるものが出てくる。そこがリベラルアーツのおもしろさでもありますね」

――中でも、興味深かった動画は?気付きはありましたか?

長谷川「しっぽ研究者である東島沙弥佳さんの『しっぽロジーの挑戦が生む複数の視点』が良かったです。人間になんでしっぽがないのか?を突き詰めるもので。何それ?と思って観始めたら、めちゃくちゃおもしろくて。

動画サムネイル しっぽロジーの挑戦が生む複数の視点

コアラの骨格とかまで遡って調べていくのですが、どのように論拠立てて、どのように難解な問いに迫っていくのか、その過程がとても興味深いんです。その進め方というかアプローチ手法は、ビジネスに通じるところがあります。

この研究はいったいどこにいくんでしょうね。この動画、大好きです」

対談の様子 嶋崎さん

嶋崎「僕は山口周さんの『なぜビジネスパーソンにリベラルアーツが必要なのか』がおもしろかったですね。なぜリベラルアーツが必要なのかを語ってくださっていて、興味を覚えました。

最近、メンバーの人が管理職になりたがらないという話をよく聞くのですが、山口周さんが『ビジネスパーソンには、問題を解く人と問題を作る人がいる 』とおっしゃっていて、腑に落ちました。管理職以上に進みたいと感じるならば、問題を作れる人にならなければいけない、現実と理想のギャップを考えて適切な課題設定するスキルが必要になってくる。

今のまま一生、問題を解き続けるだけでいいのか?と。問題を解くこともスキルを必要とするけれど、それだけでいいのか?と。気付かされたことが多かったですね」

動画サムネイル なぜビジネスパーソンにリベラルアーツが必要なのか

木村「リベラルアーツは人によって受け取るものが違いますが、そうして多様な意見や思考を生むことができることも魅力のひとつでは?と思っています。人事施策を企画する側としては、得られるものが人によって違うということは、価値でもあります」

リベラルアーツの持つメリットと課題

長谷川「実際視聴していると、自分が好きなこと・嫌いなことが分かってくるところもメリットでは?と思うようになりました。

自身の得意分野ややりたいことが明確であることはすばらしいことですが、必ずしも明確にできる人ばかりではありませんよね。そうしたときに逆に『嫌いなこと』を認識できるだけでも、学びの方向性はつかみやすくなります。自分のアンテナがどこに反応するか、それを知るうえでも役立つと思います」

嶋崎「山口周さんもおっしゃっていましたね。『リベラルアーツとは、人を知るための学問』だと」

木村「KDDIの創業者である稲盛和夫が考えたフィロソフィに、『人間として何が正しいかで判断する』という考え方があります。

ジョブ型で専門性を磨きつつ、組織として働く以上、人間力も必要になる。こうした人間力はとらえどころがないもので、部下やチームメンバーがついてくるようになるために何を鍛えればいいかの正解もありません。『人を知る』ことで、人間力的な部分も鍛えられていくのではないでしょうか」

長谷川「そういう意味でも、グループメンバーにぜひ観てもらいたいと思っているんですよ」

――実際に体験したから分かる『LIBERARY for Biz』の課題は?

対談の様子 木村さん 嶋崎さん 長谷川さん

木村「継続的に視聴してもらうにはどうすればいいか?という点でしょうか。通常の業務で忙しい中では、どうしても自発的な学びの優先順位は下がってしまいます。より多くの方に受講いただく際には、そうした部分が課題になるのかな、と。

『LIBERARY for Biz』の動画は1本20分。一般的に考えたら長いのですが、ファストフード的ではない学びとなるとこれくらいの時間が必要になります。動画を観て、自分なりに受け止めて咀嚼する時間としても20分は絶対に必要なもの。これが長いと感じる方にとって、ハードルが上がってしまうのが難点ではあります」

嶋崎「ひとつひとつのコンテンツの質が高く『ハズレたな~』と思うものがないので、時間を有効に活用できる人にとっては有効な武器になると思うんですけどね。ただ、こうした動画から何かを得ることができる人もいれば、できない人もいる。そのあたりも難しそうですね」

長谷川「動画を観て、すぐに効果が出るようなものでもないですしね」

木村「即効性を期待されてしまうと厳しいですよね。『業務にどう役に立ちますか?』と聞かれた際に、テクニカルスキルとはまた異なり、具体的なスキルの発揮に明確な型があるわけではなく、時間が経ってから学びが発揮されるケースもあるので、難しいですね。ある意味、矛盾をはらんでいる学びであり、だからこそ深い思考や新しい思考につながる。

ある程度、長い目で見ていただきたいですね」

――今後、本サービスをどのように活用したら良いと考えますか?

木村「ワークショップでディスカッションするケースは研修でよく用いられます。その場で動画を見て、メンバー同士で対話する、というのはアリだと思いますね」

嶋崎「今日のように、語り合う場を設けるのは良さそうです。他の人の感想だったり取り組みだったりが刺激になるので。実際にそういう場を持ってもいいし、メモなりを残して、そのコンテンツに対する意見を見られるようにしてもらってもいい。

もちろん、KDDIの社内の声でもいいし、他社の声でもいい。どういう声があって、どういう感じ方をしているか、それを知ることで、動画を観るキッカケにもなる気がします」

長谷川「私もそう思います。社会構成主義的な学びというのでしょうか。『LIBERARY for Biz』を介して、ゆくゆくは社外の人も交えてディスカッションできたら楽しそう。学びのブースト剤にもなりそうですよね」

リベラルアーツを、課題解決の一石に

リベラルアーツを主題とした育成プログラムはまだまだ少ないもの。だからこそ、いち早く取り入れることが「会社そのものの成長のカギとなるのでは?」 と、今回お話をお伺いした木村さんは感じているといいます。

「人事の先輩から、研修の場では『教えすぎちゃダメだよ』って言われたんです。『教えられたものはなかなか残らない。自分で気付かせたほうがいいよ』って。この言葉がとても印象に残っていたのですが、リベラルアーツは自分で気付きを得るための学びなので、そういう要素があるのかな?と感じています。

研修のための素材はこのご時世、どこもひと通りそろっていると思うのですが、リベラルアーツ的なものを今必要な文脈とともに広げている会社はまだまだ少ないもの。これまでは〇〇シンキング、のようなものが主流でしたが、一見、実務に関係ないように見えるリベラルアーツのような学びが蓄積されることで、課題解決のための一石になるのではないでしょうか。

私自身も本サービスを視聴し学んでいますが、いずれはもっと多くの社員が活用できるよう、拡大していきたいと考えています。課題に突き当たって困っている人が、自分なりのヒントを見つけるためのインプットに活用いただける。『LIBERARY for Biz』が、そうした存在になってくれたらうれしいですね」(木村さん)

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